孤独の洞窟

冴えない人間の終わらない日常

第3回 『基本的に他人は信用できない』

どうも、こんにちはキルケです。

現在進行形で「世の中生きずれぇなぁ~」と思いながら日々を送っている
冴えないもうすぐ三十路の男です。

それで、どうしてこんなにも人生生きずらいと思っているのかを考えて
みたところ、その数多ある原因の一つに「他人を信用できない」という
事実があるとおもうわけです。

皆さんはどうでしょうか?たとえば今、皆さんがつるんでいる友人、
恋人、家族が自分の事を好いていると本気で言えるでしょうか?

それは皆さんが勝手に妄想していて本当は自分のことなどどうでもいい
存在だと思っていると考えたら怖くないですか?

どうして私がこんな偏屈な思想に取りつかれているかと言いますと。
それは私が小学3~4年生のころまでさかのぼります。

当時の私は自分で言うのも何ですが、とても無垢な存在であったと
自分では思っています。世界というものは美しくて、ワクワクして、
楽しいものであると。しかしそんな頭の中がお花畑の私の思想に
脅威が訪れます。

突然ですが皆さんはジャック・フィニィの『盗まれた街』という小説
をご存じでしょうか?

内容を簡単に説明しますととある小さな町で自分の身の回りの人々、
友人、家族、近所の人々が知らない間に人間ではない何かに体を乗
っ取られてしまうという話です。

この小説を元にしたドン・シーゲル監督の『ボディ・スナッチャー
/恐怖の街』という映画も製作されており、さらに同じ原作で何度か
映像化もされています。

話を過去に戻すと、その私が小学低学年のころ私は周りの人々のある
変化を感じ初めました。『○○君って気持ち悪いよね~』『○○ちゃん
って変な臭いするよね~』とそんな影口をいうクラスメイトを見て
しまったのです。

その当時の私は自分も、クラスの皆も真っすぐで裏表のない人間であると
思っていました。

それがどういう訳か周りの人たちが自分の知らない間に何か汚れた存在に
なってしまったような気がしたのです。

今、当時の事を振り返ると、確かにそのくらいの子供というのは悪知恵も
働くようになりますし、かわいいだけではなく生意気なところも多少はで
てくるということも理解できます。

ただその時の私はそんな影口、告げ口、噂話が蔓延っている我が世界に
違和感と恐怖を覚え、しだいに今、目の前で話をしているクラスメイトも
私がいない間に私の悪口を言っているのではないかと疑心暗鬼になりまし
た。

不安は日に日に強くなっていきましたが、小学3年生の未熟な私の脳みそ
では目の前の不安を処理することができなくなりました。

そんな体験を大人になるまで引きずってしまい、今日に至るわけであります。

成人してからしばらく経っても、まず自分に近づいてくる人には警戒心の方
が働くような感じでした。つい「この人が私に近づく目的は何だ?」と考え
てしまうのです。「何か私を利用しようと考えているのではないか?」
「私に近づいてもメリットはないぞ」と身構えてしまうのです。

そんな私も今ではだいぶましになりました。相変わらず友人はいないですが
「まぁ、いなくても死にはしないし」と思うようにし、仮にすぐ別れてしま
う未来があったとしても、自分と縁を結びたいという人がいればとりあえず
受け入れることにしようと思っています。

人生は時に前向きにとらえなければなりません。本当にどうしようもない
事態が起きてしまった時も最後に頼れるのは自分しかいない。そんな気持ち
で生きていた方が私は良いと思います。